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エアコンつけっぱなしで外出は何時間まで?節約術を解説

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エアコンつけっぱなしで外出は何時間まで?節約術を解説

エアコンつけっぱなしで外出は何時間まで?節約術を解説

「夏の暑い日、エアコンつけっぱなしで外出するのは何時間までならお得なんだろう…」「エアコンつけっぱなしの方が安いって聞くけど、本当?」そんな疑問を感じたことはありませんか。エアコンをつけたり消したりするのは何時間ごとが最適なのか、あるいは2時間以上の外出や夜に何時間で切るべきか、判断に迷いますよね。特に、エアコンを28度でつけっぱなしにした時の電気代や、つけっぱなしにした1日の料金、さらに冬の暖房をつけっぱなしにした場合の1日や1ヶ月の電気代は家計に直結する大きな関心事です。夏のエアコンつけっぱなし外出冬の暖房つけっぱなし外出では、何時間という目安も変わってきます。また、長時間つけっぱなしにしてエアコンが壊れる心配はないのでしょうか。この記事では、こうした数々の疑問に専門的なデータや実験結果を基に徹底的にお答えし、あなたのライフスタイルに合った最適なエアコンの使い方を見つけるお手伝いをします。

この記事でわかること

この記事のポイント

  1. 冷房と暖房で異なる「つけっぱなし」の目安時間がわかる
  2. 外出時間や状況に応じた最適なエアコンの使い方が理解できる
  3. つけっぱなしにした場合の具体的な電気代が把握できる
  4. 電気代をさらに抑えるための効果的な節約術が学べる

エアコンつけっぱなしで外出、何時間がお得かの分岐点

この章のまとめ

  • エアコンつけっぱなしの方が安いのは本当?
  • エアコンをつけたり消したり何時間で損する?
  • エアコンの冷房つけっぱなし外出は何時間まで
  • エアコンの暖房つけっぱなし外出は何時間まで
  • 夏のエアコンつけっぱなし外出は何時間が目安?
  • 夜のエアコンは何時間で切るのが最適か
  • エアコンの外出が2時間を超える場合の選択

エアコンつけっぱなしの方が安いのは本当?

エアコンつけっぱなしの方が安いのは本当?

「エアコンはつけっぱなしの方が安い」という説は、条件付きで本当です。
なぜなら、エアコンは運転開始時に最も多くの電力を消費するからです。これは、室温と設定温度に大きな差がある状態から、一気に部屋を冷やしたり暖めたりするために、コンプレッサーがフル稼働するためです。

一度設定温度に到達してしまえば、その後は温度を維持するための「安定運転」に切り替わり、消費電力は大幅に少なくなります。
そのため、買い物や少しの散歩など、30分程度の短い外出であれば、電源をオフにして室温が大きく変化した部屋を再び冷やし直すよりも、つけっぱなしで安定運転を維持した方が、結果的に消費電力が少なくなり電気代が安くなるのです。

自転車をこぎ始める時に一番力が必要で、一度スピードに乗れば楽にこぎ続けられるのと同じイメージですね。

エアコンをつけたり消したり何時間で損する?

エアコンをつけたり消したり何時間で損する?

つけっぱなしとこまめなオンオフ、どちらがお得になるかの損益分岐点は、外気温や時間帯によって変わります。

大手空調メーカーのダイキン工業が行った実験によると、同じ条件下で「つけっぱなし」と「30分ごとに入り切り」を比較したところ、以下のような結果が報告されています。

時間帯 検証結果 つけっぱなしがお得な外出時間
日中 (9:00~18:00) つけっぱなしの方が消費電力が少ない 約35分以内
夜 (18:00~23:00) こまめに入り切りする方が消費電力が少ない 約18分以内

(参照:ダイキン「“つけっぱなしがお得”という説は本当なのか検証せよ!」)

この結果から、外気温が高い日中は、再起動時の負荷が大きくなるため、35分程度の外出であればつけっぱなしがお得です。一方、外気温が下がる夜間は再起動の負荷が小さくなるため、18分以上の外出であれば一度切った方が節約に繋がることがわかります。

実験条件に関する注意

このデータは特定の条件下での実験結果です。お住まいの地域、住宅の断熱性能、エアコンの機種によって結果は変動するため、あくまで一つの目安として参考にしてください。

エアコンの冷房つけっぱなしで外出は何時間まで

エアコンの冷房つけっぱなしで外出は何時間まで

冷房の場合、1時間以上の外出であればエアコンを消した方が電気代の節約になるケースが多いでしょう。

暖房に比べて、夏の冷房は室内と室外の温度差が比較的小さいことが多く、再起動時の消費電力も暖房ほど極端に大きくはなりません。そのため、30分程度の短い外出であれば「つけっぱなし」が有利ですが、外出時間が1時間を超えてくると、停止している間の節電効果の方が上回ってきます。

冷房使用時の目安

30分程度の外出:つけっぱなしがおすすめ
1時間以上の外出:一度電源をオフにするのがおすすめ

ただし、これはあくまで目安です。例えば、日当たりが非常に良い部屋や断熱性が低い住宅では、1時間でも室温が急激に上昇することがあります。そのような場合は、帰宅時の快適性や、再度冷やすための負荷も考慮して判断するのが良いでしょう。

エアコンの暖房つけっぱなしで外出は何時間まで

エアコンの暖房つけっぱなしで外出は何時間まで

 

冬の暖房は、夏の冷房とは少し事情が異なります。
暖房の場合、1時間程度の外出であればつけっぱなしの方が節約になる可能性が高いです。

その理由は、冬は外気温が低く、室内の設定温度との差が非常に大きくなるためです。この大きな温度差を埋めるために、暖房の起動時には冷房よりも遥かに大きな電力を消費します。

そのため、1時間程度の外出で電源をオフにすると、冷え切った部屋をパワフルに暖め直すために多大な電力を消費し、結果としてつけっぱなしよりも電気代が高くついてしまうのです。

暖房使用時の目安

1時間程度の外出:つけっぱなしがおすすめ
特に寒い日(外気温3℃以下など):1~2時間程度の外出でも、つけっぱなしの方がお得な場合がある
3時間以上の長時間:さすがに電源をオフにするのがおすすめ

夏のエアコンつけっぱなし外出は何時間が目安?

夏のエアコンつけっぱなし外出は何時間が目安?

前述の通り、夏の冷房は1時間以上の外出でオフにするのが基本的な目安です。

ただし、夏の外出と言っても状況は様々です。ここで考慮すべきは「外気温」と「帰宅時の快適性」です。

外気温が35℃を超える猛暑日の場合

パナソニックのシミュレーションによると、外気温が35℃以上の場合は、30分程度の外出でも「こまめに消す」より「つけっぱなし」の方が電気代が安くなるという結果があります。
猛暑日はエアコンを消すと短時間で室温が危険なレベルまで上昇するため、つけっぱなしの方が再起動の負荷が少なく、結果的に節電に繋がることがあります。また、熱中症予防の観点からも、帰宅時に涼しい部屋が待っているメリットは大きいと言えるでしょう。

比較的涼しい日や夜間の場合

逆に、外気温がさほど高くない日や、日差しが和らぐ夕方以降は、室温の上昇も緩やかです。このような状況では、基本ルール通り30分~1時間程度の外出でも一度オフにする方が節電効果は高まります。

夜のエアコンは何時間で切るのが最適か

夜のエアコンは何時間で切るのが最適か

夜間のエアコン使用は、快適な睡眠と電気代のバランスが重要になります。

夏の夜(冷房)

夏の夜、特に熱帯夜には、朝までつけっぱなしにするのがおすすめです。
理由は2つあります。

  1. 快適な睡眠の維持:人は体温が下がることで深い眠りに入ります。室温が高いと体温調節がうまくいかず、睡眠の質が低下します。つけっぱなしで快適な室温を保つことは、健康維持に繋がります。
  2. 電気代が比較的安い:夜は日中に比べて外気温が下がるため、エアコンの運転負荷が小さくなり、昼間につけっぱなしにするよりも電気代は安く済みます。

どうしても電気代が気になる場合は、就寝から2~3時間後にオフになるよう「切タイマー」を設定し、起床前の涼しい時間帯にオンになるよう「入タイマー」を組み合わせるのも一つの方法です。

冬の夜(暖房)

冬の夜は、就寝時にオフにし、起床1時間前くらいにオンになるようタイマーを設定するのがおすすめです。
就寝中は布団で体温を保てるため、暖房をつけっぱなしにする必要性は夏ほど高くありません。むしろ、つけっぱなしによる空気の乾燥は、喉や肌に負担をかけるデメリットもあります。

エアコンをつけて外出が2時間を超える場合の選択

エアコンをつけて外出が2時間を超える場合の選択

 

 

外出時間が2時間を超える場合は、季節(冷房・暖房)を問わず、エアコンの電源はオフにするのが節電の基本です。

いくら起動時に電力を消費するとはいえ、2時間以上も無人の部屋を冷やし(暖め)続ける電力は、再起動時の消費電力を大きく上回ります。
例えば、ダイキンが行った1日の生活を想定した実験では、日中に合計3時間半の外出(エアコンオフ)をした「こまめに入り切り」運転の方が、「つけっぱなし」運転に比べて1日で約24%も消費電力が少なかったという結果が出ています。

長時間の外出前に「つけっぱなしの方がお得だから…」と迷う必要はありません。2時間以上家を空けるなら、迷わずオフにしましょう!


エアコンつけっぱなし外出、何時間でいくらになる?

この章のまとめ

  • エアコンつけっぱなしの電気代は1日でいくら
  • 暖房つけっぱなしの電気代は1日でいくら?
  • 暖房つけっぱなしの電気代、1ヶ月の目安
  • エアコン28度つけっぱなしの電気代を検証
  • エアコンをつけっぱなしにすると壊れるのか
  • エアコンつけっぱなしでの外出は何時間がお得か総括

エアコンつけっぱなしの電気代は1日でいくら

エアコンつけっぱなしの電気代は1日でいくら

エアコンを24時間つけっぱなしにした場合の電気代は、冷房と暖房で大きく異なります。ある調査機関が6畳用のエアコンで計測した実験データを見てみましょう。

電気代の計算方法

電気代(円) = 消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電力料金単価(円/kWh)
※電力料金単価は、目安として31円/kWh(税込)で計算しています。

この実験では、冷房(設定26℃)を24時間つけっぱなしにした際の消費電力は4.095kWhでした。これを電気代に換算すると、以下のようになります。

4.095kWh × 31円/kWh = 約127円

もちろん、これは特定の条件下での一日あたりの金額です。お使いのエアコンの省エネ性能や部屋の環境によって変動しますが、冷房であれば1日で100円~150円程度が一つの目安となりそうです。

暖房つけっぱなしの電気代は1日でいくら?

暖房つけっぱなしの電気代は1日でいくら?

前述の通り、冬の暖房は冷房よりも多くの電力を消費します。
同じ実験で、暖房(設定26℃)を24時間つけっぱなしにした際の消費電力は9.174kWhと、冷房の2倍以上になりました。これを電気代に換算してみましょう。

9.174kWh × 31円/kWh = 約284円

やはり暖房の方が圧倒的に高くなることがわかります。1日あたりの電気代の目安は、暖房だと250円~300円程度を見ておくと良いでしょう。この差が、暖房使用時に「こまめに消す」選択がより重要になる理由の一つです。

暖房つけっぱなしの電気代、1ヶ月の目安

暖房つけっぱなしの電気代、1ヶ月の目安

1日あたりの電気代がわかれば、1ヶ月の料金もシミュレーションできます。
仮に、先ほどの1日あたり約284円というペースで暖房を1ヶ月(30日間)つけっぱなしにしたと仮定すると、

284円 × 30日 = 8,520円

となります。ただし、これはあくまで単純計算です。実際には、昼間の暖かい時間帯は消費電力が少なくなり、夜間の冷え込む時間帯は多くなるなど変動があります。ある電力会社の試算では、8畳タイプのエアコンを様々な条件下で1ヶ月つけっぱなしにした場合、約9,500円になるというデータもあります。

いずれにせよ、暖房を1ヶ月つけっぱなしにすると1万円近い電気代がかかる可能性があることは、念頭に置いておく必要があります。

エアコン28度つけっぱなしの電気代を検証

エアコン28度つけっぱなしの電気代を検証

環境省は、夏の快適な室温の目安として28℃を推奨しています。
では、設定温度を26℃から28℃に上げると、電気代はどれくらい変わるのでしょうか。

一般的に、エアコンの冷房は設定温度を1℃上げると約13%の消費電力が削減できるとされています。
もし、1日の電気代が127円(26℃設定)だった場合、28℃に設定することで、

127円 × (1 - 0.13 × 2) = 127円 × 0.74 = 約94円

となり、1日あたり約33円、1ヶ月で約1,000円の節約に繋がる計算になります。これは非常に大きな効果です。

「28℃は暑い…」と感じる方もいるかもしれませんが、扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させると、体感温度が下がって快適に過ごせますよ。ぜひ試してみてください。

エアコンをつけっぱなしにすると壊れるのか

エアコンをつけっぱなしにすると壊れるのか

エアコンをつけっぱなしにしても、直ちに故障に繋がるわけではありません。メーカーも連続運転を想定して設計しています。

しかし、注意すべき点が2つあります。

1. 部品の劣化が早まり、寿命が縮まる可能性

当然ながら、稼働時間が長くなればなるほど、エアコン内部のコンプレッサーやファンモーターといった部品は消耗していきます。製品の設計寿命(一般的に約10年)よりも早く寿命を迎える可能性は高まると言えるでしょう。

2. 自動おそうじ機能が作動しない可能性

多くのエアコンに搭載されている「フィルター自動おそうじ機能」は、運転停止後に作動する機種がほとんどです。そのため、24時間つけっぱなしにしていると、この機能が全く働かず、フィルターにホコリが溜まり続けてしまいます。

フィルターの目詰まりは、冷暖房効率の低下を招き、余計な電気代がかかる原因になります。つけっぱなしで使う場合でも、定期的に手動で運転を止めてフィルター掃除をすることが、エアコンを長持ちさせ、節電を維持するために非常に重要です。

エアコンつけっぱなしでの外出は何時間がお得か総括

この記事の要点を、最後にリスト形式でまとめます。ご自身のライフスタイルに合わせて、最適なエアコンの使い方を見つけるための参考にしてください。

  • 30分程度の短い外出なら「つけっぱなし」が基本的に節電になる
  • つけっぱなしがお得な時間の目安は夏の日中で約35分、夜間で約18分
  • 1時間以上の外出であれば「電源オフ」が節約の基本ルール
  • 2時間を超えるような長時間の外出では迷わず電源をオフにする
  • 夏の冷房は1時間以上の外出でオフにするのが目安
  • 冬の暖房は起動時の電力が大きいため1時間程度の外出ならつけっぱなしがお得な場合も
  • 外気温が35℃を超える猛暑日は1時間程度の外出でもつけっぱなしの方が快適で効率的
  • 夏の夜の冷房は快適な睡眠のために朝までつけっぱなしが推奨される
  • 冬の夜の暖房は就寝時に消して起床前にタイマーでオンにするのがおすすめ
  • 24時間つけっぱなしの電気代は冷房で約130円、暖房で約280円が目安
  • 暖房を1ヶ月つけっぱなしにすると電気代は1万円近くになる可能性も
  • 冷房の設定温度を1℃上げると約13%の節電効果が期待できる
  • つけっぱなしにしてもすぐには壊れないが部品の劣化は早まる
  • フィルターの自動おそうじ機能は運転停止後に作動するため定期的な手動掃除が不可欠
  • 最適な使い方は季節、時間帯、家の断熱性能によって変わることを理解する

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