基礎知識

クーラーは冷房のみで十分?後悔しない選び方とデメリット

PR

夏の厳しい暑さを乗り切るためにクーラーの購入を考えたとき、「暖房は使わないから、クーラーは冷房のみの機能で十分かな?」と考える方は少なくありません。冷房専用エアコンの基礎知識から、エアコンは冷房のみだと本当に安いのか、気になるメリットやデメリットについて詳しく知りたいですよね。また、実際に購入するとなれば、エアコンは冷房のみの場合の工事費込みの相場や、ダイキンのような人気メーカーの評判、ヤマダ電機、ケーズデンキ、エディオンといった大手家電量販店ごとの違いも気になるところです。この記事では、冷房専用エアコンの口コミや、よくあるトラブルにも触れながら、あなたに最適なエアコンで冷房のみのおすすめ機種を見つけるためのポイントを網羅的に解説します。

この記事のポイント

  1. 冷房専用エアコンの基本的なメリットとデメリット
  2. 壁付けと窓用タイプの違いや電気代の目安
  3. 主要メーカーや家電量販店ごとの特徴
  4. 後悔しないための選び方と注意点

クーラーで冷房のみの機種を選ぶ前に

  • 冷房専用エアコンの基礎知識
  • 知っておきたいエアコン冷房専用のメリット
  • 冷房専用エアコンのデメリットも確認
  • 冷房専用エアコンの口コミと評判
  • エアコンで冷房のみは本当に安い?

冷房専用エアコンの基礎知識

冷房専用エアコンの基礎知識

冷房専用エアコンとは、その名の通り暖房機能を搭載せず、冷房と除湿(ドライ)機能に特化したエアコンのことです。一般的に「クーラー」と呼ばれることもあります。冬場の暖房は石油ファンヒーターやガスファンヒーター、こたつなど他の暖房器具をメインで使用するご家庭や、一年を通して温暖な地域にお住まいの方にとっては、不要な機能を省いた非常に合理的な選択肢となり得ます。

冷房専用エアコンには、大きく分けて2つのタイプが存在します。一つは、一般的なエアコンと同じように室内機と室外機が分かれている「壁付けタイプ」。もう一つは、室内機と室外機が一体型で、窓枠に設置する「窓用タイプ(ウィンドウエアコン)」です。それぞれ設置方法や性能、価格帯が異なるため、お部屋の環境や用途に合わせて選ぶことが重要になります。

冷房専用エアコンの主な特徴

機能が冷房・除湿に絞られているため、操作がシンプルで分かりやすいモデルが多いです。また、暖房機能がない分、構造が単純で部品点数も少ないため、冷暖房兼用のエアコンに比べて本体価格が比較的安価な傾向にあります。

特に、書斎や子供部屋、寝室など、リビング以外の部屋に新たにエアコンを設置したいけれど、初期費用は極力抑えたい、というニーズにマッチしやすい製品と言えるでしょう。使用頻度が限られる部屋だからこそ、コストパフォーマンスが光ります。

壁付けタイプと窓用タイプの違い

壁付けタイプは、冷暖房兼用エアコンと同様に壁への設置工事が必須です。冷房効率が高く、対応畳数も6畳用から14畳用以上まで幅広く揃っているため、リビングのような広い空間にも十分対応できます。一方、窓用タイプは工事不要で自分で設置できる手軽さが最大の魅力。賃貸住宅で壁に穴を開けられない場合や、引っ越しの可能性がある方には特に重宝されます。ただし、壁付けタイプに比べて冷房能力はやや劣り、運転音が大きくなる傾向があるため、設置する部屋の広さや静音性を重視するかどうかで選択が変わってきます。両者の違いを以下の表にまとめました。

項目 壁付けタイプ 窓用タイプ
設置工事 必要(専門業者による) 不要(自分で設置可能)
冷房能力 高い(広い部屋にも対応) やや低い(6〜8畳程度の部屋向き)
静音性 比較的静か 運転音が大きめ
価格帯(本体) やや高め 安い
メリット ・効率的に部屋を冷やせる
・静音性が高い
・機種の選択肢が比較的多い
・工事不要で設置が簡単
・本体価格が安い
・引っ越し時に移設しやすい
デメリット ・工事費がかかる
・賃貸では設置が難しい場合がある
・冷房能力が限定的
・運転音が気になる場合がある
・防犯面の工夫が必要

知っておきたいエアコン冷房専用のメリット

知っておきたいエアコン冷房専用のメリット

冷房専用エアコンを選ぶ最大の理由は、やはりその経済的な魅力手軽さにあります。ここでは、具体的なメリットをさらに深掘りして解説します。

1. 初期費用を大幅に抑えられる

最大のメリットは、本体価格と設置費用を合わせた初期コストの安さです。暖房関連の熱交換器や制御基板といった複雑な部品が搭載されていないため、構造がシンプルになり、製造コストを抑えられます。結果として、同程度の畳数に対応する冷暖房兼用エアコンのエントリーモデルと比較しても、本体価格が1.5万円から2万円以上安くなることも珍しくありません。

さらに、工事不要の窓用タイプを選べば、通常1.5万円以上かかる専門業者の設置工事費も不要になります。これにより、トータルの導入費用を劇的に節約できるため、「一時的に使う部屋に」「とにかく夏を越すための1台が欲しい」といった緊急のニーズにも応えやすいのです。

2. 操作がシンプルで誰でも使いやすい

冷房専用エアコンは機能が限定されている分、リモコンのボタンも少なく、操作が非常にシンプルです。「冷房」「除湿」「風量」「タイマー」といった基本的な機能に絞られているため、説明書を熟読しなくても直感的に扱うことができます。これは、機械の操作が苦手な方やご高齢の方、あるいは小さなお子様がいるご家庭にとって、大きな安心材料となります。複雑な省エネモードやAI機能の設定に迷うことなく、誰でもすぐに快適な空間を作れる手軽さは、日々のストレスを軽減してくれるでしょう。

3. メンテナンスが比較的簡単

構造がシンプルなことは、メンテナンスの容易さにも直結します。特に窓用タイプは、フィルターが目の前、かつ手の届く位置にあるため、思い立った時にすぐ掃除ができます。フィルター掃除は冷房効率の維持と電気代の節約に不可欠ですが、掃除が面倒だとつい後回しにしがちです。その点、手軽に掃除できるモデルは、結果的に省エネ性能を維持しやすく、長く快適に使うための重要なポイントとなります。製品によっては、前面パネルやグリルを取り外して丸洗いできるモデルもあり、より清潔な状態を保ちやすいです。部品点数が少ないことは、長期的に見て故障のリスクを低減させる可能性にも繋がります。

「夏しか使わない書斎だから、とにかく安く手軽に設置したい」という方には、初期費用を抑えられ、操作も簡単な冷房専用エアコンは、まさにうってつけの選択肢になりますね。

冷房専用エアコンのデメリットも確認

冷房専用エアコンのデメリットも確認

多くのメリットがある一方で、冷房専用エアコンにはいくつかの注意すべきデメリットも存在します。購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、価格の安さだけでなく、これらの点を事前にしっかりと理解しておきましょう。

注意すべき4つのデメリット

  1. 電気代が割高になる可能性がある
  2. 運転音が大きいモデルがある
  3. 高機能なモデルが少ない
  4. 冬場の暖房は別途必要になる

電気代が割高になる可能性

これは最も注意すべき点です。冷房専用エアコン、特に安価なモデルや窓用タイプの多くは、モーターの回転数を効率的に制御する「インバーター」が搭載されていません。インバーター非搭載のモデルは、設定温度になるまでフルパワーで運転し、設定温度に達すると運転を停止、そして室温が上がると再びフルパワーで運転を開始、という動作を繰り返します。一方、インバーター搭載機は、室温に応じてモーターの回転数を細かく調整し、常に最適なパワーで運転し続けることができます。この違いにより、インバーター非搭載機は消費電力のロスが大きく、結果的に電気代が割高になるケースがあります。

運転音が大きいモデルがある

特に室外機と一体になっている窓用タイプは、コンプレッサーの振動やファンの音が室内に直接伝わりやすいため、壁付けタイプに比べて運転音が大きくなる傾向があります。運転音の大きさはデシベル(dB)という単位で示されますが、一般的に40dBで図書館内、50dBで静かな事務所程度の騒音レベルと言われています。窓用エアコンの中には運転音が60dB近くになるモデルもあり、これは通常の会話と同程度のレベルです。寝室や書斎など、静かな環境が求められる部屋への設置を考えている場合は、カタログスペックで運転音の大きさ(dB)を必ず確認することをおすすめします。

高機能なモデルが少ない

冷房専用エアコンは、機能を絞って価格を抑えることをコンセプトにしているため、現在の冷暖房エアコンでは当たり前になっているような便利な機能はほとんど搭載されていません。

【搭載されていないことが多い便利機能の例】

  • フィルター自動お掃除機能
  • AIによる自動運転制御(温度・湿度・人の活動量を検知)
  • スマートフォンやスマートスピーカーとの連携
  • 人感センサーによる不在時オートオフ機能
  • 気流をコントロールして体に直接風を当てない機能

また、風向きを上下左右に自動で調整するオートスイング機能がなく、手動でルーバーを動かす必要があるモデルも多いです。利便性よりもシンプルさと価格を最優先する方向けの製品と割り切る必要があります。

冬場の暖房は別途必要になる

当然のことながら、暖房機能がないため冬は使えません。もし設置した部屋に他の暖房器具がない場合、別途石油ファンヒーターや電気ストーブなどを購入する必要があります。エアコンの導入費用は安く済んでも、追加で暖房器具の購入費用がかかるため、お部屋全体の空調を考えたトータルコストで判断することが重要です。

冷房専用エアコンの口コミと評判

冷房専用エアコンの口コミと評判

実際に冷房専用エアコンを使用しているユーザーの口コミや評判を見てみると、その評価は「設置する部屋の用途」と「使用頻度」によって大きく分かれる傾向があります。

ポジティブな口コミ・高評価のポイント

  • コストパフォーマンス:「子供部屋に設置。夏休みしか本格的に使わないので、本体も工事費も安く済んで大満足」
  • 手軽さ:「賃貸なので工事不要の窓用を購入。一人で設置できてすぐ使えたのが良かった」
  • シンプルさ:「操作が簡単で高齢の両親も迷わず使えている。余計な機能がないのが逆に良い」

このように、使用頻度が低い部屋や、特定の季節だけ使うという割り切った使い方をするユーザーからは、コストパフォーマンスの高さが絶賛されています。

ネガティブな口コミ・低評価のポイント

  • 運転音:「窓用タイプは音がうるさくて、寝るときに気になってしまう。寝室には向かなかった」
  • 電気代:「インバーター無しモデルは、思ったより電気代の請求が高くて驚いた。毎日使うなら省エネモデルが良い」
  • 冷房能力:「日当たりの良いリビングに設置したが、真夏はパワー不足を感じることがある」

一方で、メインで使う部屋や、長時間使用する部屋に設置した結果、性能やランニングコストに不満を感じるケースがあるようです。

これらの口コミから、冷房専用エアコンは「誰にでもおすすめできる万能製品」ではなく、「特定のニーズや環境に合致したときに最大のメリットを発揮する製品」であることが分かります。購入を検討する際は、ご自身の使用環境や求める性能、許容できるデメリットを明確にすることが、賢い選択の鍵となります。

エアコンで冷房のみは本当に安い?

エアコンで冷房のみは本当に安い?

「冷房のみのエアコンは安い」というイメージがありますが、これは「初期費用が安い」という意味合いが強いです。電気代を含めたトータルコストで考えると、必ずしも「最も安い選択肢」になるとは限りません。

結論から言うと、使用期間や時間、そして製品の省エネ性能(特にインバーターの有無)によって、コストの優劣は大きく変わります。

エアコンの省エネ性能を示す指標の一つに「期間消費電力量」があります。これは、JIS(日本産業規格)に基づいて、特定の条件下でエアコンを1年間運転した場合に消費する電力量の目安です。この数値が小さいほど、省エネ性能が高いと言えます。

比較項目 冷房専用エアコン(インバーター非搭載) 冷暖房エアコン(省エネモデル)
本体価格 安い 高い
期間消費電力量(冷房時) 多い傾向 少ない傾向
年間電気代(冷房のみ使用) 高くなる可能性がある 安くなる傾向がある
総合的な特徴 初期費用をとにかく抑えたい方向け ランニングコストを含めた総額を抑えたい方向け

上記の表のように、インバーターを搭載していない冷房専用エアコンは、最新の省エネ性能が高い冷暖房エアコンに比べて、同じ時間使用した場合の消費電力量が多くなる傾向があります。電気代は「期間消費電力量(kWh) × 電力量料金単価(円/kWh)」で計算されますが、この電力量料金単価の目安として、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す電力料金目安単価(2022年7月改定)では31円/kWh(税込)とされています。この単価で計算すると、消費電力量の差が電気代に大きく影響することがわかります。

そのため、夏場に毎日長時間使用するような場合は、数年で初期費用の価格差が電気代で逆転してしまう可能性も十分に考えられます。

ただし、コロナの公式サイトで紹介されている壁付けタイプ「RC-V2825R」や「RC-V4025R」のように、冷房専用でもインバーターを搭載し、高い省エネ性能を持つモデルも存在します。初期費用とランニングコストの両方をバランス良く考慮したい場合は、インバーター搭載の有無を重要な判断基準にすると良いでしょう。

したがって、「エアコンは冷房のみ」が本当に安いかどうかは、ご家庭のライフスタイルやエアコンを設置する部屋の使用頻度を考慮して、総合的に判断する必要があります。

クーラーを冷房のみで使う賢い選び方

  • ヤマダ電機・ケーズデンキ・エディオン比較
  • エアコン冷房のみ工事費込みの相場
  • エアコン冷房のみならダイキンが人気
  • 冷房専用エアコンでよくあるトラブル
  • エアコンで冷房のみのおすすめ機種
  • クーラーを冷房のみで賢く選ぶための総括

ヤマダ電機・ケーズデンキ・エディオン比較

ヤマダ電機・ケーズデンキ・エディオン比較

冷房専用エアコンを購入する際、大手家電量販店は豊富な品揃えと充実したサービスで心強い味方です。ここでは、代表的な3社であるヤマダ電機、ケーズデンキ、エディオンについて、それぞれの特徴や傾向を詳しく比較します。ご自身の購入スタイルに合った店舗を見つける参考にしてください。

家電量販店 特徴 保証・サポート おすすめな人
ヤマダ電機
・業界最大手の豊富な品揃えと価格競争力
・オリジナルブランドやメーカー共同企画モデルも多い
・「ヤマダウェブコム」との連携も強力
・ポイント還元率が高い傾向
・メーカー保証+独自の長期保証(有料)
・出張修理やクリーニングサービスも充実
価格と品揃えを重視し、ポイントを賢く活用して他の家電もお得に購入したい人
ケーズデンキ
・「新製品が安い」がコンセプト
・ポイント制度がなく、その場で現金値引きが基本
・スタッフの商品知識が豊富と評判
「あんしんパスポート」提示で長期無料保証
・消耗品なども保証対象になる場合がある
ポイント還元よりもその場の現金値引きと、手厚く分かりやすい無料長期保証を求める人
エディオン
・地域密着型で丁寧な接客に定評
・設置工事やアフターサービスの質が高いと評判
・Tポイントやdポイントなど共通ポイントも貯まる
・指定金額以上の商品で長期修理保証(有料/カード会員特典も)
「100満ボルト」ブランドも展開
購入後のサポートや丁寧な説明を重視し、安心して長く使いたい人

ヤマダ電機は、業界最大手ならではの物量と価格設定が魅力です。特にシーズン中は、工事費込みの特価モデルが数多く登場し、他店との価格交渉の材料にもしやすいでしょう。ケーズデンキは、「がんばらない経営」を掲げつつも、その場での現金値引きと手厚い長期無料保証で根強い人気を誇ります。複雑なポイント計算が苦手な方には分かりやすい選択肢です。エディオンは、購入相談から設置工事、アフターサービスまで、一貫して質の高いサービスを受けたい方におすすめです。専門知識豊富なスタッフにじっくり相談しながら、納得して購入したい場合に適しています。

いずれの店舗も、冷房専用エアコンの取り扱いはコロナ製品が中心となる傾向がありますが、店舗や時期によってラインナップは変動します。訪問前に各社のオンラインストアで在庫や価格を確認したり、直接店舗に問い合わせてみるのが確実です。

エアコン冷房のみ工事費込みの相場

エアコン冷房のみ工事費込みの相場

壁付けタイプの冷房専用エアコンを選ぶ場合、本体価格に加えて設置工事費が必要になります。多くの家電量販店やネットショップでは、価格の分かりやすさから「標準取付工事費込み」という形で販売されています。

標準取付工事費込みの価格相場は、6畳用のモデルでおおよそ5万円台後半から8万円程度が一般的です。この「標準取付工事」には、通常、配管や室外機設置に関する基本的な作業が含まれます。

標準取付工事の主な内容

  • 配管パイプ:4mまで(テープ巻き仕上げ)
  • 室外機設置:平地置き・ベランダ置き(プラブロック含む)
  • 配管穴:既存の穴を利用(木造・モルタル壁)
  • 真空引き作業:配管内の空気や水分を除去する重要な作業

ただし、これはあくまで最もシンプルな設置環境の場合です。ご自宅の状況によっては、追加料金が発生するため、この点を必ず理解しておく必要があります。

追加工事費が発生する主なケースと料金目安

  • 配管延長:4mを超える場合、1mあたり3,000円程度
  • 特殊な室外機設置:壁面や屋根、二段置きなど、15,000円〜
  • 配管穴あけ:木造・モルタルで5,000円〜、コンクリート壁で15,000円〜
  • コンセント工事:形状交換や電圧切替、専用回路増設など、5,000円〜20,000円程度
  • 化粧カバー設置:室内・室外ともに、基本セットで10,000円〜15,000円程度

※料金はあくまで目安です。業者によって大きく異なる場合があります。

購入前には、必ず設置場所の状況(壁の材質、コンセントの形状、室外機の置き場所など)をスマートフォンの写真などで記録し、販売店のスタッフに伝えることが重要です。可能であれば、正式契約前に現地調査を依頼し、正確な見積もりを取ることを強く推奨します。特にインターネットで「工事費込み」の製品を購入する際は、標準工事の範囲を隅々まで確認し、追加料金の規定を把握しておくことで、工事当日の思わぬ出費やトラブルを防ぐことができます。

エアコン冷房のみならダイキンが人気

エアコン冷房のみならダイキンが人気

冷房専用エアコンの市場ではコロナが大きなシェアを占めていますが、「空調のプロ」として高い信頼を得ているダイキンにも、実は冷房専用モデルが存在します。ただし、ダイキンの冷房専用エアコンは、主に業務用や小規模な店舗、事務所向けに設計・販売されていることが多く、一般家庭用のモデルは非常に限定的です。

ダイキンが「エアコンの王道」と評される理由は、長年培ってきた高い技術力にあります。特に、省エネ性能を左右するコンプレッサーの精密な制御技術や、過酷な環境でも安定して稼働する耐久性は、業界でもトップクラスです。そのため、性能や信頼性を最優先するユーザーからは、冷房専用機においても根強い人気があります。

もしダイキン製の冷房専用エアコンを希望する場合、一般の家電量販店では取り扱いが少ないため、空調設備を専門に扱う業者や、業務用の製品を取り扱うオンラインの専門店で探してみると見つかる可能性があります。ただし、価格はコロナ製などの一般的な家庭用モデルに比べて高価になる傾向があります。

「夏場に長時間、集中的に使うからこそ、冷房能力や耐久性に優れたモデルが欲しい」という強いこだわりがある方にとっては、選択肢の一つとして検討する価値があるかもしれません。しかし、多くの一般家庭での利用シーンを考えると、入手しやすさやコストパフォーマンスの面では、コロナをはじめとする他のメーカー製品に軍配が上がることが多いのが現状です。ご自身の予算や求める性能のバランスを考えて検討しましょう。

冷房専用エアコンでよくあるトラブル

冷房専用エアコンでよくあるトラブル

冷房専用エアコンは構造がシンプルですが、それでもいくつかのトラブルが発生する可能性があります。事前によくあるトラブルと対処法を知っておくことで、いざという時に慌てず、また不要な修理費用をかけずに済む場合があります。

1. 冷えが悪い・冷風が出ない

最も多いトラブルです。慌てて業者を呼ぶ前に、まずは基本的な点を確認しましょう。

【自分でできる対処法】
フィルターの掃除:最も多い原因です。フィルターにホコリがびっしり詰まっていると、空気を吸い込めず冷房効率が著しく低下します。2週間に1回を目安に清掃しましょう。
室外機の周辺確認:室外機の吹出口や吸込口の前に、物を置いたり植木鉢があったりすると、熱交換の妨げになります。周囲はすっきりと片付けておきましょう。
リモコンの設定確認:意外と多いのが「送風」モードになっているケース。運転モードが「冷房」になっているか確認してください。

【専門業者に依頼すべきケース】
上記を確認しても改善しない場合は、室内機内部の熱交換器の汚れや、冷媒ガス漏れの可能性があります。これらは専門的な知識と工具が必要なため、無理せず修理業者に点検を依頼してください。

2. 水漏れ

室内機から水がポタポタと垂れてくるトラブルです。床や家財が濡れる二次被害に繋がるため、早急な対処が必要です。

【自分でできる対処法】
ドレンホースの詰まり確認:結露水を外部に排出するためのドレンホースの排出口に、ゴミや虫、苔などが詰まっていないか確認します。割り箸などで優しく詰まりを取り除くか、市販のドレンホースクリーナーを使ってみましょう。

【専門業者に依頼すべきケース】
ホースの排出口に問題がない場合、ホースの途中での詰まりや、エアコン本体の傾き、内部のドレンパンの破損などが考えられます。この場合は専門業者に相談するのが安全です。

トラブルを未然に防ぐ定期メンテナンス

多くのトラブルは定期的なメンテナンスで予防できます。以下のチェックを習慣づけましょう。

  • シーズン前(5月頃):フィルター清掃、リモコンの電池確認、室外機周辺の掃除、15分程度の試運転(冷風が出るか、異音はないか確認)
  • シーズン中:2週間に1度のフィルター清掃
  • シーズン後(10月頃):フィルター清掃、内部クリーン運転(搭載機種の場合)、室外機のカバー設置(必要に応じて)

エアコンで冷房のみのおすすめ機種

エアコンで冷房のみのおすすめ機種

ここまで解説してきたメリット・デメリットを踏まえ、具体的におすすめの冷房専用エアコンをタイプ別に紹介します。ご自身の設置環境や使い方に合ったモデルを見つけてください。

【壁付けタイプ】コロナ ReLaLa RC-2225R

6畳用の壁付けタイプで、冷房専用エアコンの定番ともいえるロングセラーモデルです。シンプルな設計で使いやすく、冷房・ドライ・送風の基本機能をしっかりと備えています。特に「おやすみ自動運転」機能は、切タイマー設定後に緩やかに設定温度を調整し、体の冷えすぎを防ぎながら快適な睡眠をサポートしてくれると好評です。コンパクトな室外機は、都市部のマンションのベランダなど、限られたスペースにも設置しやすいのが大きな利点。初期費用を抑えつつ、信頼性のある基本的な性能の壁付けエアコンを導入したい方に最適な一台です。

適用畳数 おもに6畳
冷房能力 2.0kW
期間消費電力量 367kWh(50Hz) / 429kWh(60Hz)
おすすめな人 子供部屋や書斎など、使用頻度が限られる部屋に設置したい人

【壁付け・省エネタイプ】コロナ ReLaLa RC-V2825R

10畳用モデルで、冷房専用ながら高効率なDCインバーターを搭載している点が最大の特徴です。インバーターにより室温に応じて運転を細かく制御するため、インバーター非搭載機に比べて消費電力を大幅に抑え、電気代の節約に大きく貢献します。また、「ビッグルーバー」がワイドで滑らかな気流を生み出し、部屋の隅々まで快適な涼しさを届けます。パワフルながらも静音性に配慮された設計で、リビングや寝室など、長時間過ごす部屋にもおすすめです。初期費用は少し上がっても、ランニングコストを重視したい方に最適な高性能モデルです。

適用畳数 おもに10畳
冷房能力 2.8kW
期間消費電力量 336kWh
おすすめな人 リビングなど使用時間が長い部屋で、電気代を抑えたい人

【窓用タイプ】コロナ ReLaLa CW-1625R

工事不要で届いたその日に自分で設置できる、窓用タイプの人気モデルです。コンプレッサーの振動を抑える低振動設計で、窓用エアコンの中では運転音が比較的静かと評判です。カビの発生を抑える防カビフィルターや、取り外して丸洗いできる前面パネルなど、清潔さを保つための工夫も随所に施されています。賃貸住宅で壁に穴を開けられない方や、数年で引っ越す可能性がある学生さんや単身赴任の方にぴったりの一台です。

適用畳数 4~7畳
冷房能力 1.4kW(50Hz) / 1.6kW(60Hz)
期間消費電力量 350kWh(50Hz) / 400kWh(60Hz)
おすすめな人 賃貸住宅にお住まいの人、一時的にエアコンが必要な人

クーラーを冷房のみで賢く選ぶための総括

  • 冷房専用エアコンは暖房機能がなく、冷房と除湿に特化した製品
  • 壁付けタイプと、工事不要の窓用タイプがある
  • 最大のメリットは冷暖房兼用機に比べて初期費用が安いこと
  • 操作がシンプルで、機械が苦手な方でも使いやすい
  • デメリットとして、インバーター非搭載モデルは電気代が割高になる可能性
  • 窓用タイプは壁付けに比べ運転音が大きい傾向がある
  • フィルター自動掃除などの高機能は基本的に搭載されていない
  • ユーザーの口コミは、割り切った使い方をする人から高評価を得ている
  • トータルコストは、使用頻度や製品の省エネ性能によって変わる
  • 家電量販店ではコロナ製品を中心に、工事費込みのセットが販売されている
  • 標準工事の範囲を確認し、追加料金の有無を事前に把握することが重要
  • ダイキン製の家庭用冷房専用モデルは現在ほとんど流通していない
  • 冷えが悪い、水漏れなどのトラブルは定期的なメンテナンスで予防できる
  • おすすめは、用途に応じて定番のコロナ製品から選ぶのが堅実
  • 自分の使い方を明確にし、メリットとデメリットを天秤にかけることが後悔しない鍵

-基礎知識